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新・山笠に学ぶ組織論 2016年版

と表題は新しいように書いているが、2011年版のコピペ(笑)

「山笠に学ぶ組織論」を読みましたぁ、という奇特な方に出会いまして、ありがとうございますともう一度、自分で今読みなおしてみても、けっこういいこと書いていますと自画自賛。(笑) 元来、いい加減な性格。最近多少理屈っぽくなってきておりますが、年のせいもあるかもしれません。とにかく2010年7月にも山笠に学ぶ組織論①②を書いていますが、2011年版の方がまとまりがあるかも。。

でも、博多祇園山笠は「組織とは一体何か」というものを改めて感じさせるお祭りでもあります。運営体であるそれぞれの町のあり方から、スポンサー企業様との関係性なども合わせて考えてみますと、一本論文が書けそうなくらいのテーマです。そこまでやらんけど。。やってもいいかな。。(笑)

ここから新・山笠に学ぶ組織論2016年版です。長文ですがお読みいただけると幸いです。

「山笠に学ぶ組織論」というテーマで博多祇園山笠というお祭りの一側面を書いてみます。
人間がつくる組織と言うものを山笠はいろんな特徴を持って表しています。少し企業経営とダブらせてみます。この組織論的記事は、昨年書いたものですが、見直してみました。

特に男のお祭りである「博多祇園山笠」は「厳格な統制による組織形成」を土台にして成り立っています。 奉納行事ですので、無事に山笠を奉納すればそれでOKなのですが、タイムレースという目標を持たせて、参加者のモチベーションを高めている側面を持っております。

しかし、目標を持っているのですが、常にタイムを意識しているのではありません。タイム(目標)を絶えず意識しているのは一部の役員(上司)だけです。

一般社員さんである、かき手はただ、一生懸命、自分の力を最大限発揮して、山笠について、かいて、走ってゴールをめざす。
ただそれだけです。走っている間に自分の山笠が早いか遅いかなどは考えません。ただ自分の力を出すだけです。ましてや他の山と比較してどうだったのかとか、全く頭の隅にもよぎりません。

周りが見えるのは、しばらくたって、懇親会(直会 なおらい)の時です。その時に教えてもらって気づくか、しかし、教えてもらわない限り、自分で尋ねることもないかもしれません。一生懸命山笠をかくことだけでタイムに関心を持つことすら忘れています。テレビで見て気づいています。

月例会議などで、目標に対する実績を知らされて、ハッとするような感じですね。

しかし、山笠自体を早く走らせることは、目的の内の一つに組み込まれています。そのことはみんな知っているのに、行動している時は関心をよせていない。だからと言って、決して力を抜いてはいない。

みんな一生懸命山笠をかいている。(みんな一生懸命仕事をしている)

会社も同じですね。社員は目の前の仕事を一生懸命こなしている。ただポジションによっては周りのことは全く見えない。。
ポジションによって、山笠を見ている角度が違うと全体を見る見方も変わってくる。

山笠の両サイドの一番棒についている縄を持って、山笠がぶれた時に軌道修正する役目の「鼻取り」。

かき手とは違い、絶えず縄を操り、出来るだけ山笠をまっすぐに進めるように、方向を修正するハンドルのような役目を持っています。しかし、彼らには全体は見えません。ポジション的にはかき手と同じ高さの目線で山笠を見ています。

台上がりに上がっている人は、上から山笠がどのように動いているかが良く見えます。だからいろんな指示ができます。またエッサ、ホイサとかき手を元気づけます。下でかついでいる人は指示命令にしたがいながら一生懸命かつぐだけです。だからと言って手を抜くわけではない。 

少し息を整えたら、自分の意思で山笠をまた舁こう(かつごう)とする。「自分の意思で」というのがポイント。ドラッカーなどの経営学者が言ってる「協働の自発性」が見事に発揮されている。

「台上がり」(棒さばき)。一見華やかな場所です。台の上に上がって山笠のリーダー役のように見える場所です。しかし、台に上がっているからと言って、台上がりが山笠全体をみているかというと実はそうではない。表の台上がりは裏側の見送り側が見えていないし、見送り側の台上がりは表側が見えていない。

部門のトップといっしょ。自分の部門だけが見えているけど、他の部門はわからない。

「人間は自分の視野の範囲以上の物事を見ることはできない」

では、山笠全体を見ている人は、山笠そのものに一緒について走ってはいないことに気づきます。山笠から少し離れたところで、全体を把握しようという視点で山笠を見ている。 ここでのポイントは、リーダーが「全体を把握する」という意識をどのくらい持っているかどうか。つまり、リーダーと言われる人の「全体」がどのくらい大きいものなのか、そのリーダーの人間力が問われます。

「社長は現場至上主義でなければならない。しかし、社長は現場から、しかもできるだけ遠くに離れなければならない」 

社長の組織を見る視点は社員さんとは違います。。。組織の階層やポジションが増えれば余計に違います。

「厳格な組織統制」はルールによる規定を明確にしています。
「ルールに従い、ルールを自分勝手に創らない」ことにとても厳格な組織です。

山笠で何度も言われるのが、「安全第一」です。毎日必ず終わった後に「体調の悪い方はおられますか」「お怪我をされた方はおられませんか」と尋ねられます。

無病息災を願う奉納行事ですので、「無事に終わらせる」ことに注意を払います。そして、「安全第一」を達成するために、特に気をつけていることが「ルールを守る」ことです。

山笠を運営するに当たって、細かいルールが定められています。役員さんは各町との調整や自分の町のメンバー間の意思疎通に頑張っています。課長・係長のミドルマネジメントと同じです。

特に山笠をかつぐときには、細かいルールが決められています。より安全に、より早く走るためには、スムーズなかき手の交代が要求されます。山笠は、常に危険と隣り合わせです。棒と棒の間をかきわけてたくさんの人たちがかつごうとするわけですし、狭い路地に入ったり、急なカーブを切ったりするわけですから、自分勝手な立ち振る舞いではリスクが大きくなります。

このルールを無視して山笠につこうとすると大事故につながります。ですので、ルールを守ろうとみんなで努力しますし、ルールに従えない人は排除されます。

また、勝手に自分の判断でルール以外の行動をすることに神経を使っています。自主性も大切ですが、その前に、「定められたルールの下で」の自主性を発揮すること重んじています。

会社でも同じことが言えます。会社で決めたルールを守ろうとすることがとても大切です。ところが時間が経つに従い、ルールを守ろうとしなくなったり、自分自身の勝手な解釈を用いて、自分で大義名分をつくりルールに従おうとしなくなる人が出てきます。決めたはずのルールを守れない人が組織を崩していく。山笠では「安全第一」の目的の元に組織が統制されるように厳格なルールが定められています。

今年は、締め込みをみんなで新調しました。紺の締め込みを初めてしましたが、結構お気に入りです。

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