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「社長は現場のことがわかっていない」は本当か?

このことを結論から言うと、「はい、その通りです」(笑)

 営業の現場から、設計士から離れて10年以上経ちました。もはや流量計算や、積算の仕方、オーダーの作成方法など、当時とはすっかり様変わりしましたので、教えてもらわないとできません。2006年に「中途半端な社長はやめます」と宣言して、日創研のTTコースを受講して全国を周りました。当時240名くらいの参加でしたが、受講しているうちに、絶対NO1になると思うようになり、結果第1位で修了しました。

「いつも作業着を来ている社長にはお金を貸さないほうがいい」これは銀行の担当者の融資の目利き具合としての例え話です。いつも作業着を着ているということは、いつも現場に出ている可能性が高く、現場で働く社員さんと同じ高さの目線でしか経営を見ていない。経営者はより高い位置で自社を見る必要性があるのに、それが出来ていない社長は、自社を取り巻く環境を見れていない、また変化する環境に対応する能力が社長には乏しいのではないかと判断されるようです。

 つまり社長は「社長がすべき仕事をする」ことが社長の仕事であり、それは単に営業や工事や事務仕事に直接携わることではないのです。また社員ができる日常業務を社長がやっているとしたら、社長は社員と同じ能力を同じ場所でしか発揮していないことになります。社長は社員が発揮できない場所で、社員が発揮できない力を出すことが社長の仕事です。営業や工事をやるのが社長の仕事ではありません。そこに気づいた時に、それまで私が率先して受注してきた営業の仕事を社員に任せるようにしました。故に、私は現場のことがさっぱりわからなくなりました。

 社員さんの言葉の「社長は現場のことがわかっていない」この言葉の真意は、「私の気持ちを認めて欲しい」だと私は感じています。それぞれの持ち場の大量の日常業務をしっかりとやることだけでも大変なのに、日常業務にプラスアルファをつけろと言う。わかっているけどなかなか出来ない。そんな自分自身の心の葛藤を理解して欲しいという気持ちが出るのだと思います。そして出来ていない自分ではなく、社長があまり見えていない「いつもキチンと出来ている自分をもっと社長は見て欲しい」おそらくそういう思いでしょう。

 この文章を読んで、「なんだ、社長、わかってるやん」と思ったみなさん、特にベテラン・中堅社員のみなさん、あなたの周りにもいる若い社員もあなたと同じことを考え、あなたと同じように認めて欲しい、もっといいところを見て欲しいと思っていることにあなたは気がついていますか?

 また、「社長は現場のことがわかっていない」と思っている人たちを見てると、現場に行かなくてもわかることがたくさんあります。人は言葉づかい、態度、姿勢、表情、そしてかもし出す雰囲気で、その人のものの見方・考え方のほとんどが出てきます。またこういうことも言えます。「会社の中で出来ないこと、やらないことを会社の外でやっている人はほとんどいません。」会社の中で大きな声で挨拶出来ない人は、それぞれの持ち場で出来るわけがないのです。そして、会社の中で見せるみなさんの態度・姿勢・言葉づかい・表情・そしてかもし出す雰囲気で、だいたいその人の行動特性がわかります。

 社長は社長の仕事をしなければなりません。社長の仕事とは、「社員の将来のメシのタネづくり」です。メロンパン1日販売戸数のギネス記録を持っており、来店客で店の前の国道が渋滞するという千葉のピーターパンの横手和彦社長は、「社内のマイナスをプラスに変えるのは、社員の仕事。社長の仕事はプラスをさらにプラスの方向へ導くこと」と断言されました。

 組織の中にネガティブな感情をばらまく人たちを相手にするほど、時間とコストの無駄はないのです。だからいち早くより良い組織を創って、未来に向き合える仲間にしないといけません。もちろんネガティブな感情を振りまくお客様の相手をしたり、一度に大量の仕事をこなさないといけない場面も我々にはたくさん出会います。時に自分の感情をコントロールできない場合もあるでしょう。

だからこそ、そういう自分に気づき、自分で解決する「自分のご機嫌は自分で取れる」人財づくりを目指しています。社長の目の届かない部分は智恵と工夫で解決しましょう。

 

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